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本日(2月28日)は記念すべき2007年いかなご漁解禁日。
いかなごは瀬戸内に春を告げる魚。
(→いかなご漁の動画を見る)
旬の魚いかなごを、この辺りでは醤油やザラメ、生姜とともに甘辛く煮詰めて佃煮にする。
この佃煮、さながら錆びて折れ曲がった古釘のように見えるため、くぎ煮と命名されたそうだ。
いかなごのシーズンが到来すると、この辺りの主婦はまるで盆と正月が一緒に来たかのような忙しさ。
いかなごのくぎ煮作りは一大イベントなのである。
解禁日前から、いかなご商戦の火蓋は切って落とされているのだ。
解禁日を前にして、早くもスーパーではくぎ煮保存用のプラスチック容器が山積み、メインの売り場にもくぎ煮コーナーが現れ、醤油やザラメ、みりんや生姜などの調味料が所狭しと並ぶのだ。
郵便局には『いかなごゆうパック』、一方、クロネコヤマトには『いかなご宅急便』という兵庫県限定のサービスも登場し、店頭で「いかなご」のノボリがこれでもかとはためき始めたら、両者はすでに臨戦態勢。
郵便局ではEXPACK500を1個買うごとにいかなごパックがおまけで付くサービスが登場。いかなごシールまで用意してあるのにびっくり@o@
対するクロネコヤマトは10個送ると11個目が無料になるいかなご回数券で応戦する。イラスト入りのいかなご仕様の伝票にびっくり@o@
そしてついに迎えた解禁日。
この日を皮切りに、魚売り場の前には連日昼網の入荷を待つ、気の早いおばちゃんたちが群れをなし、店は妙な熱気に包まれる。
そして、スーパーでは、いつの間にか『いかなごGO!GO!』なるBGMがエンドレスで流れ出す。
(→『いかなごGO!GO!』を聞いてみる)
鮮度が命のいかなごを数キロ単位で買っていくおばちゃんたちがダッシュで去った後は、町中のあちこちの台所からいかなごを炊く甘辛い匂いが漂い始めるのだ。
しかし、いかなご調達のタイミングがこれまた難しい。
この甘辛い匂いを嗅ぐと何故か気が急かされるように感じるから不思議だ。
匂いの誘惑に負けまいと程よいタイミングを見計らう。
誘惑に負け、解禁日間もない極小いかなごにうかつに手を出すと、煮崩してボロボロにしてしまうか、くっついて団子状にしてしまう。
いずれにせよ『くぎ煮』とは程遠いシロモノにしてしまうのがオチである。
解禁日すぐの極小のいかなごでくぎ煮を作るというのは達人技なのだ。
そうかといって、のんびり構えているといつの間にか水温が上昇し、ある日突然いかなごは巨大化する。
魚売り場で巨大いかなごと出合ったが最後、どんなに悔やんでもそれはもう後の祭り なのだ。
泣く泣く苦味が出はじめた、巨大いかなごを炊くしか残された道はない。
お次はご近所・親戚くぎ煮交換会だ。
同じ調味料を使って炊いたくぎ煮も家庭によって微妙に味が違う。
おすそ分けと称して、向こう三軒両隣、親戚ご近所会う人会う人に配り歩いているおばちゃんも多数生息する。
おすそ分けをもらったら、当然「必殺!くぎ煮返し」で応酬だ。
このとき、「おたく、(くぎ煮を)何キロ炊いたん?」「うちは10キロ炊いたで。」「まだまだやな。うちは20キロや。」というような会話が挨拶代わりに交わされ、否が応でもくぎ煮熱はヒートアップする。
もちろん、おすそ分け交戦の水面下では「見てみ。うちのくぎ煮が一番旨いやろ。」という無言の熱いバトルが繰り広げられているのだ。
ひとしきり、おすそ分けくぎ煮バトルが終了すると、次はできたくぎ煮を地方の親戚や知人に送ろうとおばちゃんたちは宅配便受付窓口や郵便局に殺到する。
いくつもの包みを抱えたおばちゃんが窓口に長蛇の列を成し、くぎ煮の入った小包がカウンターに山積みされる。
こうして神戸・明石のいかなごが全国各地に放たれるのである。
1ヶ月間ひたすらくぎ煮の匂いを至るところで嗅ぎ続け、嗅覚は麻痺。
大音量の『いかなごGO!GO!』をスーパーで耳にした日にゃ、家に帰っても幻聴が頭の中でエンドレス。
ついには家事をしながら子どもと一緒に、
「人生晴れたり曇ったり うまくいかない時もある
シケのあとには大漁だ くぎ煮ダンスで踊りましょう♪
喜びしっかりかみしめて ご近所さんにもおすそわけ
たべてもいいかな いいかなGo (GoGo)
おどってもいいかな いいかなGo (GoGo)」
と歌って踊っている自分に気づき愕然となるのである。
早春の明石はいかなごがアツイ!!!
寝ても冷めても、いかなご尽くしのこの光景。
一見の価値ありですよ。
どうぞ明石にお越しあれ。
さて、今年のいかなごフィーバーぶりはいかに?
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